“ 伽藍堂 Garaando ”

〜 さかうしけい子が語る東洋医学の世界 〜

セルフケア その1

今年は、セルフケアで身体をつくりませんか?

 

今回は、皆様にとって健やかな1年となるように、実践的なセルフケアの方法をお伝えします。 これは、身体のケアもできて、同時に自分の身体を知る、身体の声を聞くといった習慣が自然に身につくやり方なので、一粒で2度美味しいこと、請け合いです!

 

それは「ハラモミ」。

 

最近、腸内フローラや発酵食品、乳酸菌で腸内環境を改善することに注目が集まっているので、関心がある方もいらっしゃるかと思います。もともと1960年代に提唱された千島学説(血液は腸で作られる等)により、腸の重要性は、脈々と語られてきました。西洋医学でも腸と免疫の関係やアレルギーとの関連など、今後もますます注目されていくことでしょう。

 

また腹部のマッサージ法というと、古来から中国式推拿(スイナ)、日本の按腹などいろいろなやり方があります。最近(といってもここ十数年)では、タイ生まれの中国人であるマンタクチャ老師が「気内臓qi・nei・zang(チネイザン)療法」という気功を取り入れた方法が、欧米、タイはもとより、日本でも広まってきています。またその他にもアメリカで発展したオステオパシーの流れをくみ、フランス人が創始した「内蔵のマニュピレーション」という手技療法も注目されています。

 

腹部は、みぞおちにある太陽神経叢が自律的に働くので、物理的刺激を直接加えることは、おなか全体に対して即効性があります。便秘などの症状に、下腹部を時計回りに押す(仰向けに寝て、おへその左側を始点として下腹部に円をえがく)と効き目があるのはこのためです。

 

私がオススメするのは、仰向けの状態で膝をたてて、自分のオナカを触って、押して、按じてみる。硬い所があったら、ゆっくりと気持ちいいという感覚を目安に、加圧していく。注意点は乱暴にキツくしないこと。腹部に拍動がある箇所は、強く押さないこと。ただこれだけ。目指すは、つきたてのお餅!(注:「アレ?私、つきたてのお餅だわ」と思ったあなた!もっと奥まで加圧してみてね。)

 

 

オナカにガスがたまっているのは、中医学では「気滞」といって、文字のごとく気が滞っているのです。そこは押すとかなり敏感に痛いはず。左手の平をオナカに当てて、右手の親指以外の4指をたてて、左手の甲をトントンとたたけば、ガスのある場所は音が違います。このようなガスがあると、空腹時でもオナカがギュルギュルとかグルグルとか鳴る症状(腹鳴 [ ふくめい ] という)もでます。

 

また「水バラ」といって、水振音がピチャピチャとなるのは、東洋医学でいうところの水分 ( 津液 [しんえき ]という)が溜まっているから。

 

こういったガスや水分の停滞はマッサージすることで流して軽減していけるのです。また何故停滞するのかというと、精神的な緊張、つまりストレス。オナカをマッサージすれば、緊張をとり除き、ストレスを軽減できるのも、オススメの理由のひとつです。

 

そして最も重きをおいてもらいたいのは、おへその周り。おへその周りでちょっと奥まで押してみると、硬くて痛い固まりがないでしょうか。これは瘀血(おけつ)と言って、行き場のなくなった血の混ざった液体が停留しているもの。これはキツく押すとかなり痛いので、じっくり加圧してみてください。特に妊娠したいと思っている方は、おへその両脇とその下3〜5センチ範囲で瘀血を調べ、徐々に柔らかくしていくといいですよ。

 

このようなセルフケアを患者さんに勧めると、「ちょっと痛いけど、いいのでしょうか?」とか「気持ちいいってよくわからないのですが・・。」などと聞かれます。

 

私がこのハラモミをおススメするのは、自分と自分の身体の親和性を高めるのに役立つと思ったからです。どうするといいとか悪いとかの頭の判断ではなく、感覚を磨く。どんな感じかなぁ〜って、自分の内側にはいって感じてみる。そして適当なところを自分で探る。もしわからない場合は、撫でたり、手をオナカに置くことからはじめてください。さらにオナカをホットパックで温めて、気持ちいい感じを味わうのもよし!

 

ちょっと痛くても自分の身体。ああ、あとで楽になったと思うかもしれないし、怖くて冒険できずにオナカを撫でただけだとしても、それもよし!自分のやり方で、自分のペースで、まずは自分のオナカと仲良くなってみてはいかがでしょうか。

 

身体は自分の魂を入れる鞄。


私の鞄には、どこにポケットがあって、どの位の深さで、ここが破れそうで・・と、よくよく知っているはず。自分の身体のことも、触れて、体感して、よくよく知ろうではありませんか。しかもこの鞄。単なる鞄ではなく、「アラジンの魔法のランプ」のランプのように、どこかに異次元チャネルが通じていて、時々不思議なことがおこるようですよ。せっかくだから、そのチャネルを一緒に探求しませんか。

 

オナカが柔らかくなったら、もしかして腰痛や便秘が治ったり、緊張がとれてゆったりした気分が増えたり、オナカを温かく感じられたり、はたまた腰骨の左右の高さの違いに気づいたり、いろいろな発見があるかもしれません。あっ、ないかもしれません。なかったとしても焦らずにね。

 

できたら毎日、起きぬけか寝入る前に。

まずは身体からのアプローチで、今年をステキな年に!

 

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ハワイ島マウナケア山頂にて撮影)