“ 伽藍堂 Garaando ”

〜 さかうしけいこ が語る東洋医学の世界 〜

繋がりあう世界5 エネルギー医学(フラワーエッセンス)

 澄んだ深い青色の空のもと、しあわせな1日になる条件は整っていた。風がひどく強いことをのぞけば。私は庭にでて、ザ・庭師のK氏から樹木のことを聞いていた。「木はね、家と競争するんだよ。張りあって注目をあびようと頑張るんだ。だからこの木の先端はどんどん伸びて茂る。その茂みの中にある枝は陽もあたらなくて発育が悪い。木の背丈を低くするために伸びている枝を切って発育の悪い枝だけを残すとしたら、エネルギーがいきなりさがって枯れてしまうことがある。だから長い枝をまず少し切る。陽がはいるスペースを作って小さい枝を育てつつ、何年かをかけて長い枝を切っていくんだよ」と教えてくれた。木は家をライバル視するような、そんな繋がりがあることに私は驚き、また大枝と小枝も影響しあっているのだと感心した。

 私が家の中にはいろうと歩きだした時、突風が吹いた。私は衝撃を感じて、訳もわからずうずくまる。5mの高さはあるジュラルミン製のハシゴが私の額と頭に倒れてきたらしい。無意識に頭を押さえた手をみると血がべっとりとついた。やってしまった。。私は、おそるおそるケガしたと思われる部分に手をかざして大丈夫と唱えつつ仰向けになって思った。「こんな時にレスキューレメディがあれば。ああ!レスキューレメディがあれば・・」と。

 

 レスキューレメディは、数多いフラワーエッセンスの中のひとつである。フラワーエッセンスとは、細菌学者であった英国の医師エドワード・バック氏(通称バッチ博士)が開発した精妙な植物のエネルギーを転写させた抽出液のこと。これは肉体と感情、そして精神といった生命体の全システムに触媒として働く。これを舌下にたらす、耳の内側に塗布する、身体の一部にスプレーするといった方法で、人体に取りいれることができる。すると肉体と感情とのバランスが取られメンタルをふくむ人体の全システムに働きかけて、生命体としての統合がはかられるという。

 たとえばタンポポダンディライオン)について考えてみよう。タンポポは、キク科の多年生の野草。春先になると、アマタの舌のような花びらが溢れるように広がり発色するかのような黄色を放つ。咲きおわると球状の白い綿毛をつけて軽々と風にのり、その種子は飛散される。このようにタンポポを観察すると、その形状や特性からも拡散し放出させるエネルギーが強いことがわかる。また開花前の乾燥させたものを蒲公英(ホコウエイ)といい、漢方薬として用いられる。これには解熱、発汗、利尿といったコモッタものを開いてながす作用がある。

 こうしたタンポポの持つエネルギーからできたフラワーエッセンスには、硬くなったものを開放する力があるため、こむら返りといった筋肉の痙攣などに有効とされる。また古い痛みや恐れの感情を筋肉にため込んでいる場合にも、それらを解放する助けとなる。私の父が子供の頃、走りつかれた時にタンポポの花をもいでは足にこすりつけていたという。こうすれば足が楽になると友人が教えてくれたそうだ。ダンディライオンタンポポ)のマッサージオイルがなかった時代にも、こういった自然から得た知恵が生きていたのだ。

 このように植物には、その植物の持つ特性があり独自のエネルギーがある。

 この沢山の植物の中から5つの花のエッセンスを組み合わせたものがレスキューレメディと呼ばれるものだ。これは事故や怪我のショック状態、緊張やパニックの時などに用いられ、感情と精神のケアをすることで肉体との統合をはかることができるもの。また愛犬くんや愛猫さん達のパニックや興奮、不安にも用いられるもので、世界中で最も人気のレメディである。

 さて、こういったフラワーエッセンス(レメディ)。今ではロフトや生活の木といった店舗で買えるほど身近になっている。しかしこれは、エネルギー医学が基礎にあるということをどのくらいの方達がご存知だろうか。例えばアトピーや胃炎、潰瘍性大腸炎などは、感情的な問題がまずあって、それが肉体に症状として表れたケースが多い。自己の内面が病気という形をかりて表出されるのである。ひとくちにストレスと片づけられてしまう感情やメンタルは、人体とどういう関係になっているのだろうか。エネルギー医学では、これらの心身相関を説明することができる。

 

 人体は目にみえないエネルギーが重なりあって呼吸する有機体。しかも自分をとりまく環境とも密接に繋がってエネルギー交換をしている。これがエネルギー医学の基本となる。

エネルギー体としての身体

 ではオーラと呼ばれるエネルギーを見てみよう。まずは肉体があり、その次はエーテル体とよばれるレイヤーがある。エーテル体は肉体を浸し、それよりも5ミリくらいはみでる大きさになる。鍼灸の経絡やツボはここにあるという。実際にツボを探す時に、肉体を押すよりも少し手を浮かして探るとその位置がわかりやすいのだ。エーテル体は肉体と近い働きをするため、手術で臓器を摘出した場合、肉体の臓器がなくなってもエーテル体で再建することができる。

 さらに感情界へとつながる。感情や精神というのは自己の内面という言い方もできるので、内側にある感じがする。しかし私たちは、他人がどういう精神状態かは見るだけで感じとることができるのだ。怒っているなとか、悲しいことがあっただろうなとか、ドンヨリしてるなとか・・。これはその人が外側に発しているものをキャッチしているのにちがいない。

 つづいて精神界、アストラル界、エーテル・テンプレート、天空界ボディ、ケセリックボディへとオーラは拡がっていく。我らは、自己のさらに拡大された形のエネルギーを次々とまとっていて、これが層のような構造をつくりだしている。この各レイヤーの呼び名は、神智学やアーユルベーダなどの学派によって異なっているものの、人体は肉体的レイヤーから霊的レイヤーへと層をなして繋がっているという点で一致している。このようにとらえてみると、感情をケアすることで肉体に影響を与えることができるし、肉体を元気にすると精神が癒されるという心身相関がわかりやすい。

 

 もし事故の直後にレスキューレメディを使うことができたなら、肉体と感情とが統合されて外傷の治りは格段に速くなるのだ。他人がケガしている場面に出くわした時には、レスキューレメディを当人の舌下に数滴たらしてあげるという使い方もできる。またレメディを持っていなかったとして、ショックが感情や精神にどれほど大きな影響を与えるのかを知っていれば、深い呼吸をして自分自身を落ちつかせることの重要性がわかるのだ。

 

 自らをエネルギー体としてとらえはじめたなら、繋がりあう世界をより深く感じることができるだろう。自然界の植物がその持てるエネルギーで我らを癒してくれていることも、天体の動きや天候といった環境のすべてが、とぎれることなく人体に影響を与えつづけていることも不思議ではなくなる。我らをとりまく一切のものが、時にたおやかに時に強力に繋がりあっているのだ。

 

 全体性への希求。エネルギー医学の核心はここにある。

 

(後記)

 アマゾンの密林から4人の子供達が生還したニュースには、本当に驚きました。食べられる植物をみわける能力や身を守る知恵にも・・。自然界の中で生き抜く力に憧れます。私もケガくらい自分で治せるようになりたいとずっと思っていたので、今回の私のケガも自ら治せる範囲だと確認した後、実験をしてみました。それにしてもレスキューレメディは肝心の時にいつも手元にありません。

 ケガの直後、私は仕事の予定が入っていたことに気づきました。しかしサスガに無理だと思いキャンセルさせていただくことに。ところが電話が繋がりません。下を向いてメールを打つと携帯が血だらけになるので、やむなく写真を送って状況を説明することに。あまりに怖い写真じゃ申し訳ないので、顔はタオルで拭きつつも。頭の血は出た方がいいので、乾いたタオルで押さえずに濡れたのを使って止血しないよう心がけました。目に血が入ってあけられなくなった時には、ボクサーの鬼塚勝也辰吉丈一郎薬師寺選手と畑山選手といった歴代チャンピョンの死闘の試合が次々に浮かんできましたね。いきおい私の気分はボクサーになったかのように・・。

 次の患者さん達にもどういうわけかリスケお願いの電話が繋がりません。もう遠くから車で向かってらっしゃると思い、仕事がちゃんとできるかどうかを確認した後、自分で仕事をするモードに切り替えました。ザ・庭師のKさんが、「この傷だったら腫れるよ」と心配してくださったので、止血しない方針に加えて冷やすことにしました。流れる血はぬれタオルで拭きながら、保冷剤で冷やす作戦に。ほっかぶりで治療するのもどうかと思い、オシャレな帽子をかぶってカモフラージュすることにしました。フジコヘミング風に!

 とってもおかしな格好での治療です。白衣を着つつも布製の帽子をかぶっているのですからね。しかし皆さまはお優しい!誰も何もおっしゃらずにいつもどおりに振るまってくださいました。ご迷惑をおかけした皆さま、イデタチを不審に思われた皆さま、この場をかりてお詫びいたします。

 あれから2週間、ここがジャングルだったら自力で治せ!と言いきかせつつ思いつく限りのことをして、ほとんど完治しました。ツキノワグマのような小さな傷が頭にあるだけで。

 ケガをした時に、ショック状態を軽減する術を身につけるのは、とっても大事だとあらためて思った次第です。

 

 

小樽、自宅近くのジャングル?でイワミツバ(茎は食べられる)を撮影